小児科おかもん先生 だより Vol.247
「運動した後に蕁麻疹が出ました」、食物依存性運動誘発アナフィラキシー
こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。
食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA)は、特定の食物を食べた後に運動するとアレルギー症状が出る疾患です。食物だけ、運動だけでは症状が出ないため、診断が難しいことがあります。今回は、FDEIAについてお伝えします。
FDEIAとは?
| 基本情報 | 詳細 |
|---|---|
| 発症メカニズム | 食物+運動の組み合わせで発症 |
| 好発年齢 | 学童〜思春期 |
| 頻度 | 中学生の約6,000人に1人 |
| 原因食物 | 小麦(最多)、エビ・カニ |
| 運動 | ランニング、球技など |
| 発症の条件 |
|---|
| 特定の食物を摂取 + 運動 → 発症 |
| 食物だけ → 症状なし |
| 運動だけ → 症状なし |
| 食後2時間以内の運動で多い |
ポイント
- 食物と運動の組み合わせで発症
- 小麦が最も多い原因食物
- 学童〜思春期に多い
どんな症状ですか?
| 症状の段階 | 詳細 |
|---|---|
| 軽症 | 蕁麻疹、かゆみ |
| 中等症 | 全身の蕁麻疹、腹痛、嘔吐 |
| 重症 | 呼吸困難、血圧低下、意識障害 |
| アナフィラキシーショック | 命に関わる(緊急) |
| 増悪因子 |
|---|
| 疲労・睡眠不足 |
| 入浴(運動の代わりに) |
| NSAIDs(解熱鎮痛薬) |
| 飲酒(思春期以降) |
| 花粉シーズン |
ポイント
- 重症ではアナフィラキシーを起こす
- 疲労や体調不良で起こりやすい
- 入浴でも誘発されることがある
診断はどうしますか?
| 診断のポイント | 内容 |
|---|---|
| 問診 | 何を食べて、何の運動で症状が出たか |
| 血液検査 | 原因食物の特異的IgE抗体 |
| 皮膚テスト | プリックテスト |
| 運動負荷試験 | 原因食物摂取後に運動(専門施設で) |
| 問診で確認すること |
|---|
| 発症の2時間以内に何を食べたか |
| どんな運動をしたか |
| 同じ食物を運動なしで食べて症状は出ないか |
| 増悪因子はなかったか |
ポイント
- 問診が最も重要
- 食事と運動の時間関係を確認
- 運動負荷試験で確定診断
治療と予防は?
| 予防策 | 内容 |
|---|---|
| 原因食物摂取後の運動制限 | 食後2時間(できれば4時間)は激しい運動を避ける |
| 体調管理 | 疲労・体調不良時は特に注意 |
| エピペンの携帯 | アナフィラキシーの既往がある場合 |
| 学校への情報提供 | 給食後の体育の配慮 |
| 発作時の対応 |
|---|
| 運動を直ちに中止 |
| 抗ヒスタミン薬の内服 |
| アナフィラキシー症状があればエピペン使用 |
| 救急車を呼ぶ |
ポイント
- 食後2時間は激しい運動を避ける
- エピペンの携帯と使い方を覚える
- 学校との連携が重要
学校ではどうすればいいですか?
| 学校での対応 | 内容 |
|---|---|
| 管理指導表 | 主治医が記載し学校に提出 |
| 給食後の体育 | 原因食物を食べた日は体育を見学 |
| エピペン | 学校に預け、教職員が使えるように |
| 緊急時対応 | マニュアルを作成し共有 |
| 原因食物を除去する場合 |
|---|
| 給食で原因食物を除去→食後の運動制限不要 |
| 給食を通常通り食べる→食後の運動を制限 |
| 家庭と学校で一貫した対応を |
ポイント
- 学校生活管理指導表を活用
- 教職員へのエピペン指導
- 家庭と学校で一貫した対応
今号のまとめ
- FDEIA は食物+運動で発症する
- 小麦が最も多い原因食物
- 食後2時間は激しい運動を避ける
- エピペンの携帯が重要
- 学校との連携で安全な学校生活を
あわせて読みたい
- Vol.061「食物アレルギー」
- Vol.062「アナフィラキシー」
- Vol.063「エピペンの使い方」
ご質問・ご感想
「運動後にアレルギー症状が出ました」「学校での対応を知りたい」など、ご経験やご質問がございましたら、お気軽にお寄せください。
愛育病院 小児科 おかもん先生
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