小児科おかもん先生 だより Vol.240
「太りすぎと言われました」、子どもの肥満
こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。
子どもの肥満は近年増加しており、将来の生活習慣病のリスクとなります。しかし、子どもの肥満は成長期であるため、大人のダイエットとは異なるアプローチが必要です。今回は、子どもの肥満についてお伝えします。
子どもの肥満の基準は?
| 判定基準 | 詳細 |
|---|---|
| 肥満度 | (実測体重-標準体重)÷標準体重×100 |
| 軽度肥満 | 肥満度 20-30% |
| 中等度肥満 | 肥満度 30-50% |
| 高度肥満 | 肥満度 50%以上 |
| 現状 |
|---|
| 小学生の約10%が肥満 |
| COVID-19以降さらに増加傾向 |
| 肥満児の約70%が成人肥満に移行 |
ポイント
- 肥満度20%以上が肥満
- 小学生の約10%が肥満
- 子どもの肥満は成人肥満につながりやすい
肥満の合併症は?
| 合併症 | 詳細 |
|---|---|
| 脂質異常症 | コレステロールや中性脂肪の上昇 |
| 脂肪肝 | 肥満児の約30%に認める |
| 2型糖尿病 | 小児でも増加している |
| 高血圧 | 肥満度が高いほどリスク上昇 |
| 睡眠時無呼吸 | いびき、日中の眠気 |
| 心理的問題 | いじめ、自己肯定感の低下 |
肥満度30%以上の場合は血液検査をお勧めします。
ポイント
- 子どもでも生活習慣病は起こる
- 脂肪肝は肥満児の約30%に
- 心理的な影響にも注意
食事はどうすればいいですか?
| 食事のポイント | 内容 |
|---|---|
| 3食きちんと | 朝食の欠食をなくす |
| おやつの管理 | ジュース・菓子パンを減らす |
| 野菜から食べる | 食べる順番を意識 |
| 早食い防止 | よく噛んで食べる(20回以上) |
| 量の調整 | おかわりを控える |
| 避けるべきこと |
|---|
| 厳しいカロリー制限(成長に影響) |
| 食事を抜く(かえって太りやすくなる) |
| 食べ物を取り上げる(心理的悪影響) |
ポイント
- 厳しいダイエットは禁物
- 体重維持で身長が伸びるのを待つ
- ジュースとおやつの管理が鍵
運動はどうすればいいですか?
| 運動の推奨 | 内容 |
|---|---|
| 推奨量 | 1日60分以上の中等度以上の運動 |
| 種類 | 楽しめるものなら何でもOK |
| スクリーンタイム | 1日2時間以内に制限 |
| 外遊び | 積極的に外で遊ぶ |
| 運動を続けるコツ |
|---|
| 親子で一緒に体を動かす |
| 楽しいと思える活動を選ぶ |
| 競争させず、達成感を重視 |
| 日常生活で体を動かす(階段、歩行) |
ポイント
- 1日60分以上の運動を推奨
- 楽しめる運動が継続の鍵
- スクリーンタイムを減らす
受診が必要な場合は?
| 受診の目安 | 詳細 |
|---|---|
| 高度肥満 | 肥満度50%以上 |
| 急激な体重増加 | 短期間で急に太った |
| 低身長を伴う | 内分泌疾患の可能性 |
| 黒色表皮症 | 首やわきの下の黒ずみ(インスリン抵抗性) |
| いびき | 睡眠時無呼吸の可能性 |
肥満+低身長の場合は、甲状腺機能低下症やクッシング症候群など内分泌疾患の精査が必要です。
ポイント
- 高度肥満は医療的介入が必要
- 肥満+低身長は内分泌疾患を疑う
- 首の黒ずみは要注意サイン
今号のまとめ
- 子どもの肥満は肥満度20%以上
- 厳しいダイエットは禁物、体重維持が基本
- ジュースとおやつの管理が最も効果的
- 楽しめる運動を1日60分以上
- 肥満+低身長は内分泌疾患の精査を
あわせて読みたい
- Vol.239「低身長」
- Vol.244「2型糖尿病」
- Vol.261「子どもの運動と体力」
ご質問・ご感想
「太りすぎと言われて心配です」「食事の工夫を知りたい」など、ご経験やご質問がございましたら、お気軽にお寄せください。
愛育病院 小児科 おかもん先生
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