小児科おかもん先生 だより Vol.238
「朝起きられません」、起立性調節障害(OD)
こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。
起立性調節障害(OD)は、自律神経の調節がうまくいかず、朝起きられない・立ちくらみ・頭痛などの症状が出る疾患です。思春期の子どもに多く、不登校の原因の一つにもなっています。今回は、起立性調節障害についてお伝えします。
起立性調節障害とは?
| 基本情報 | 詳細 |
|---|---|
| 頻度 | 中学生の約10% |
| 好発年齢 | 10-16歳 |
| 男女比 | 女児にやや多い |
| 原因 | 自律神経の調節障害 |
| 特徴 | 午前中に症状が強く、午後から回復 |
| 主な症状 |
|---|
| 朝起きられない |
| 立ちくらみ・めまい |
| 頭痛 |
| 倦怠感 |
| 動悸 |
| 腹痛・食欲不振 |
ポイント
- さぼりではなく病気
- 中学生の約10%に見られる
- 午前中に症状が強い
診断はどうしますか?
| 検査 | 内容 |
|---|---|
| 新起立試験 | 横になった状態から立ち上がった時の血圧・脈拍の変化を測定 |
| 血液検査 | 貧血や甲状腺機能の除外 |
| 心電図 | 不整脈の除外 |
| ODの4つのサブタイプ |
|---|
| 起立直後性低血圧:立ち上がった直後に血圧低下 |
| 体位性頻脈症候群:立位で脈拍が著しく増加 |
| 血管迷走神経性失神:立位で失神 |
| 遷延性起立性低血圧:立位で徐々に血圧低下 |
ポイント
- 新起立試験で診断
- 4つのサブタイプがある
- 他の疾患の除外も必要
治療はどうしますか?
| 生活指導 | 内容 |
|---|---|
| 水分摂取 | 1日1.5-2L |
| 塩分摂取 | やや多めに(1日10g程度) |
| 急に立たない | ゆっくり起き上がる |
| 下肢の運動 | ふくらはぎのポンプ作用を活用 |
| 弾性ストッキング | 下肢への血液貯留を防ぐ |
| 規則正しい生活 | 就寝・起床時間を一定に |
| 薬物療法 |
|---|
| ミドドリン(昇圧剤):起立直後性低血圧に |
| プロプラノロール(β遮断薬):体位性頻脈に |
| 生活指導で改善しない場合に使用 |
ポイント
- 水分と塩分の摂取が基本
- ゆっくり起き上がる
- 薬物療法は補助的
学校にはどうすればいいですか?
| 学校への対応 | 内容 |
|---|---|
| 診断書 | ODの診断と配慮依頼 |
| 遅刻の許容 | 午後からの登校を認める |
| 保健室の利用 | 体調不良時の休憩場所 |
| 体育の配慮 | 個別に判断 |
| 担任との連携 | 定期的な情報共有 |
午後からでも登校できる日は登校させることが、社会参加と回復につながります。全欠よりも部分参加を目指しましょう。
ポイント
- 学校との連携が重要
- 午後からの登校も有意義
- 部分参加を目指す
いつ治りますか?
| 経過 | 詳細 |
|---|---|
| 軽症 | 生活指導で数か月で改善 |
| 中等症 | 1-2年で改善 |
| 重症 | 数年かかることがある |
| 予後 | 多くは成人までに改善 |
保護者の方も不安が大きいと思いますが、ODは必ず改善する病気です。焦らず、お子さんを支えてあげてください。
ポイント
- 多くは成長とともに改善
- 回復には時間がかかる
- 焦らず支えることが大切
今号のまとめ
- 起立性調節障害はさぼりではなく病気
- 中学生の約10%に見られる
- 水分と塩分の摂取、ゆっくり起き上がるが基本
- 学校との連携と部分参加が重要
- 多くは成長とともに改善する
あわせて読みたい
- Vol.237「不整脈」
- Vol.134「発達障害と不登校」
- Vol.259「子どもの睡眠の重要性」
ご質問・ご感想
「朝起きられなくて困っています」「学校に行けない日が増えました」など、ご経験やご質問がございましたら、お気軽にお寄せください。
愛育病院 小児科 おかもん先生
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