小児科おかもん先生 だより Vol.176
「足の裏にいぼができました」、尋常性疣贅(いぼ)の治療
こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。
いぼ(尋常性疣贅)は、ヒトパピローマウイルス(HPV)が皮膚の小さな傷から侵入して起こる皮膚感染症です。子どもに非常に多く、手や足の裏によく見られます。自然治癒することもありますが、放置すると大きくなったり増えたりすることがあります。今回は、いぼの治療についてお伝えします。
いぼとは何ですか?
手に硬いブツブツができました
いぼ(尋常性疣贅)は、ヒトパピローマウイルス(HPV)による皮膚感染症です [1]。水いぼ(伝染性軟属腫)とは原因ウイルスが異なります。
いぼ(尋常性疣贅)
- 原因
- HPV(ヒトパピローマウイルス)
- 見た目
- 硬い、表面がザラザラ、灰白色
- 好発年齢
- 学童期(5-15歳)
- 好発部位
- 手、足の裏、膝
- 自然治癒
- 2年以内に約65%
水いぼ(伝染性軟属腫)
- 原因
- 伝染性軟属腫ウイルス
- 見た目
- 軟らかい、光沢あり、中央にくぼみ
- 好発年齢
- 幼児期(1-5歳)
- 好発部位
- 体幹、腋窩
- 自然治癒
- 6-12か月
ポイント
- HPVによる皮膚感染症
- 水いぼとは別の病気
- 手や足の裏に多い
いぼの治療法は?
液体窒素で焼くしかないですか?痛がって嫌がります
液体窒素療法が標準的ですが、他にもいくつかの方法があります [2]。
| 治療法 | 方法 | 痛み | 通院 |
|---|---|---|---|
| 液体窒素療法 | マイナス196℃で凍結 | あり | 2-3週間ごと、数回 |
| サリチル酸貼付 | 市販のスピール膏を貼る | なし | 自宅で毎日 |
| ヨクイニン内服 | 漢方薬の内服 | なし | 2-3か月継続 |
| モノクロロ酢酸 | 酸で焼灼 | やや痛い | 1-2週間ごと |
| レーザー治療 | CO2レーザーで蒸散 | 局所麻酔使用 | 1-2回 |
「痛みが苦手なお子さんには、サリチル酸貼付(スピール膏)+ヨクイニン内服の組み合わせで、痛みなく治療する方法もあります。効果が出るまでに時間はかかりますが、通院の負担も少ないです。」
ポイント
- 液体窒素が標準的だが痛みがある
- 痛くない方法(貼付・内服)もある
- 治療法は組み合わせると効果的
足の裏のいぼが治りません
足の裏のいぼに何度も液体窒素をしていますが治りません
足底のいぼは最も治りにくい場所です [3]。
| 足底のいぼの特徴 | 理由 |
|---|---|
| 角質が厚い | ウイルスが深くまで到達している |
| 体重がかかる | 治療しても再発しやすい |
| 歩行で広がる | 圧力で周囲に拡大(モザイク疣贅) |
| 足底のいぼの治療のコツ |
|---|
| 治療前にスピール膏で角質を軟らかくしてから液体窒素 |
| 液体窒素は十分に凍結させる(痛みは増すが効果的) |
| サリチル酸を毎日貼り続ける |
| 治療後は絆創膏で覆い、感染拡大を防ぐ |
「足底のいぼは完治まで3-6か月以上かかることも珍しくありません。根気よく治療を続けることが大切です。」
ポイント
- 足底のいぼは最も治りにくい
- 角質を軟らかくしてから治療すると効果的
- 完治まで数か月かかることもある
いぼはうつりますか?
兄弟や友達にうつりますか?プールは大丈夫ですか?
いぼは接触感染で広がります [4]。
| 感染経路 | 対策 |
|---|---|
| 直接接触 | いぼを触らない、触った後は手洗い |
| 間接接触 | 共有のタオル、スリッパの使用を避ける |
| 自己接種 | いぼを掻いたり、爪を噛んだりしない |
| プール | プールの水では感染しない。裸足での歩行に注意 |
「プールの水自体では感染しませんが、プールサイドを裸足で歩くことで足底のいぼが感染する可能性があります。サンダルの使用を勧めます。」
ポイント
- 接触感染で広がる
- プールの水では感染しない
- 裸足での共有スペースの歩行に注意
いぼが自然に治ることはありますか?
放置しても治りますか?
自然治癒することはありますが、確実ではありません [5]。
| 期間 | 自然治癒率 |
|---|---|
| 1年以内 | 約30% |
| 2年以内 | 約65% |
| 3年以上残存 | 約35% |
| 経過観察が適さない場合 |
|---|
| いぼが増えている |
| いぼが大きくなっている |
| 痛みがある(足底) |
| 本人が気にしている |
| 他人にうつす心配がある |
「自然治癒を待つ場合でも、いぼが広がらないようにテープで覆うことをお勧めします。」
ポイント
- 2年以内に約65%が自然治癒
- ただし増えたり大きくなる場合は治療を
- テープで覆って広がりを防ぐ
今号のまとめ
- いぼはHPVによる皮膚感染症。水いぼとは異なる
- 液体窒素が標準的治療だが、痛くない方法もある
- 足底のいぼは治りにくく、根気よく治療が必要
- 接触感染で広がる。いぼを触った後は手洗い
- 2年以内に約65%が自然治癒するが、広がる場合は治療を
あわせて読みたい
- Vol.175「水いぼの最新治療」
- Vol.146「HPVワクチン」
- Vol.174「子どもの乾燥肌とスキンケア」
- Vol.154「登園基準」
ご質問・ご感想
「いぼが治らなくて困っています」「液体窒素が嫌で受診を嫌がります」など、ご経験やご質問がございましたら、お気軽にお寄せください。
おかもん先生
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