小児科おかもん先生 だより Vol.201
「熱が下がりません」、小児の肺炎
こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。
肺炎は、肺の組織にウイルスや細菌が感染して炎症を起こす病気です。風邪と異なり、高熱が続き、呼吸が苦しくなることがあります。小児の肺炎の多くは外来治療で改善しますが、重症例は入院が必要です。今回は、肺炎の早期発見と対応についてお伝えします。
肺炎とは?
風邪(上気道炎)
- 感染部位
- 鼻・のど
- 発熱
- 37-38℃台が多い
- 咳
- 軽度
- 呼吸
- 正常
- 全身状態
- 比較的良好
- 経過
- 3-5日で改善
肺炎
- 感染部位
- 肺の実質
- 発熱
- 38.5℃以上が持続
- 咳
- 強い、持続的
- 呼吸
- 速い、苦しそう
- 全身状態
- ぐったり、食欲低下
- 経過
- 治療なしでは悪化
| 小児の肺炎の原因(年齢別) |
|---|
| 乳児:RSウイルス、パラインフルエンザ |
| 幼児:肺炎球菌、インフルエンザ菌、ウイルス |
| 学童:マイコプラズマ、肺炎球菌 |
ポイント
- 肺炎は風邪とは異なる病気
- 高熱の持続と呼吸の異常が特徴
- 年齢により原因菌が異なる
肺炎を疑うサインは?
| 受診すべきサイン | 詳細 |
|---|---|
| 高熱が3日以上続く | 風邪なら通常3日以内に下がる |
| 呼吸が速い | 乳児:60回/分以上、幼児:40回/分以上 |
| 陥没呼吸 | 息を吸う時に肋骨の間や鎖骨の上が凹む |
| 鼻翼呼吸 | 息をするたびに鼻の穴が広がる |
| 食欲がない | 全く飲まない・食べない |
| ぐったり | いつもと明らかに様子が違う |
呼吸の速さは肺炎を見分ける最も重要な指標です。安静時にお子さんの呼吸を1分間数えてみてください。
ポイント
- 高熱が3日以上続いたら受診
- 呼吸の速さが最も重要な指標
- 陥没呼吸、鼻翼呼吸は重症サイン
肺炎の検査と診断は?
| 検査 | 内容 |
|---|---|
| 聴診 | 肺に異常な呼吸音がないか確認 |
| 胸部X線 | 肺炎の広がりと重症度の評価 |
| 血液検査 | 白血球数、CRP(炎症の程度) |
| 迅速検査 | マイコプラズマ、インフルエンザ等の確認 |
| 酸素飽和度 | パルスオキシメーターで測定 |
軽症の場合は検査なしで治療を開始することもあります。全てのケースでレントゲンが必要というわけではありません。
ポイント
- 聴診と酸素飽和度の測定が基本
- 全例でレントゲンが必要ではない
- 原因菌の特定が治療選択に重要
肺炎の治療は?
| 重症度 | 治療 |
|---|---|
| 軽症 | 外来で抗菌薬内服(細菌性の場合) |
| 中等症 | 外来で経過観察、改善なければ入院 |
| 重症 | 入院で点滴抗菌薬、酸素投与 |
| 入院の目安 |
|---|
| 酸素飽和度が92%未満 |
| 水分が取れない |
| 全身状態が悪い |
| 生後3か月未満 |
| 基礎疾患がある |
ウイルス性肺炎の場合は抗菌薬は効きません。細菌性かウイルス性かの判断に基づいて、適切な治療を選択します。
ポイント
- 軽症は外来治療が可能
- 酸素飽和度92%未満は入院の目安
- 抗菌薬はウイルス性には不要
肺炎の予防は?
| 予防策 | 内容 |
|---|---|
| 肺炎球菌ワクチン | 定期接種。最も多い細菌性肺炎を予防 |
| インフルエンザワクチン | 毎年接種。インフルエンザ後の肺炎を予防 |
| Hibワクチン | 定期接種。インフルエンザ菌b型を予防 |
| 手洗い | 最も効果的な感染予防 |
| 受動喫煙の回避 | 肺炎のリスクを下げる |
肺炎球菌ワクチンの普及により、小児の侵襲性肺炎球菌感染症は大幅に減少しました。定期接種を確実に受けてください。
ポイント
- ワクチン接種が最も効果的な予防
- 肺炎球菌ワクチンは定期接種
- 受動喫煙は大きなリスク因子
今号のまとめ
- 肺炎は肺の感染症。風邪とは異なる
- 高熱3日以上+呼吸の異常が肺炎のサイン
- 呼吸の速さが最も重要な判断材料
- 軽症は外来治療、重症は入院
- ワクチン接種が最も効果的な予防
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ご質問・ご感想
「肺炎で入院しました」「熱が長引いて心配です」など、ご経験やご質問がございましたら、お気軽にお寄せください。
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