小児科おかもん先生 だより Vol.211
「寝ている間に呼吸が止まります」、小児の睡眠時無呼吸
こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。
小児の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)は、睡眠中に気道が閉塞して呼吸が繰り返し止まる病気です。子どもの約1-4%に見られ、成長障害や行動の問題につながることがあります。今回は、小児の睡眠時無呼吸についてお伝えします。
小児の睡眠時無呼吸とは?
| 基本情報 | 詳細 |
|---|---|
| 頻度 | 小児の約1-4% |
| 好発年齢 | 2-8歳(扁桃・アデノイド肥大のピーク) |
| 最多原因 | 扁桃肥大・アデノイド増殖症 |
| 肥満との関係 | 学童期以降は肥満も原因に |
| 睡眠時無呼吸のサイン |
|---|
| 大きないびき(毎晩) |
| 呼吸が止まる(10秒以上) |
| 苦しそうな呼吸 |
| 異常な寝姿勢(首を反らせる) |
| 寝汗が多い |
| 夜尿 |
ポイント
- 小児の1-4%に見られる
- 扁桃・アデノイド肥大が最多原因
- いびき+無呼吸が典型的
どんな影響がありますか?
| 影響 | 詳細 |
|---|---|
| 成長障害 | 成長ホルモンの分泌低下 |
| 行動の問題 | 多動、攻撃性、落ち着きのなさ |
| 学習能力の低下 | 集中力低下、記憶力低下 |
| 日中の眠気 | 小児では少ない。むしろ多動 |
| 心血管への影響 | 高血圧、右心負荷 |
| 夜尿 | 無呼吸に伴う |
小児のOSASは、ADHDと間違われることがあります。多動や不注意が目立つ子どもで、いびきがある場合は睡眠時無呼吸の可能性を考慮します。
ポイント
- 成長障害を引き起こす
- ADHDと間違われることがある
- 行動・学習に影響
診断はどうしますか?
| 検査 | 内容 |
|---|---|
| 問診 | いびき、無呼吸の有無と程度 |
| 身体診察 | 扁桃・アデノイドの大きさ |
| 睡眠ポリグラフ(PSG) | 一泊入院で脳波・呼吸・酸素を記録 |
| 簡易モニター | 自宅での酸素飽和度記録 |
| ビデオ撮影 | 自宅でのいびき・無呼吸の記録 |
ご自宅で寝ている様子をスマートフォンで動画撮影して受診時に見せていただくと、診断の参考になります。
ポイント
- 睡眠ポリグラフが確定診断
- 自宅での動画撮影が参考になる
- 簡易モニターでスクリーニング可能
治療はどうしますか?
| 治療 | 対象 |
|---|---|
| アデノイド・扁桃摘出術 | 扁桃・アデノイド肥大が原因の場合(第一選択) |
| 減量 | 肥満が原因の場合 |
| CPAP | 手術後も改善しない場合 |
| 鼻の治療 | アレルギー性鼻炎の管理 |
| 口腔内装置 | 顎の問題がある場合 |
扁桃・アデノイドが原因の場合、手術で90%以上が改善します。最も効果的な治療法です。
ポイント
- 扁桃・アデノイド摘出が第一選択
- 手術で90%以上が改善
- 肥満がある場合は減量も重要
いびきがあればすべて病気ですか?
| 分類 | 特徴 |
|---|---|
| 単純いびき | いびきのみ。無呼吸なし。通常は治療不要 |
| 軽度OSAS | 時々無呼吸。経過観察 |
| 中等度〜重度OSAS | 頻繁な無呼吸。治療が必要 |
| 受診すべきサイン |
|---|
| 毎晩の大きないびき |
| 呼吸が止まるのを目撃 |
| 苦しそうな呼吸 |
| 日中の行動の問題 |
| 成長の遅れ |
ポイント
- 単純いびきは治療不要なことが多い
- 無呼吸を伴う場合は要受診
- 行動の問題や成長の遅れがあれば評価を
今号のまとめ
- 小児の睡眠時無呼吸は1-4%に見られる
- 扁桃・アデノイド肥大が最多原因
- 成長、行動、学習に影響する
- 手術で90%以上が改善
- いびき+無呼吸+日中の問題があれば受診
あわせて読みたい
- Vol.210「扁桃肥大とアデノイド」
- Vol.259「子どもの睡眠の重要性」
- Vol.204「急性中耳炎」
ご質問・ご感想
「子どものいびきが心配です」「無呼吸があるように見えます」など、ご経験やご質問がございましたら、お気軽にお寄せください。
愛育病院 小児科 おかもん先生
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