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「検査では異常がないのにお腹が痛い」 機能性腹痛
Vol.189おなか

「検査では異常がないのにお腹が痛い」 機能性腹痛

- 検査で異常がなくても痛みは本物

おなか全年齢6
おかもん先生小児科専門医愛育病院 小児科

参考文献 5·Q&A 5問収録

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この記事のポイント

  • - 検査で異常がなくても痛みは本物
  • - 学童の10-20%が経験
  • - 「脳と腸のコミュニケーション」の異常が原因

小児科おかもん先生 だより Vol.189

「検査では異常がないのにお腹が痛い」、機能性腹痛

こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。

「検査をしても異常がないのに、お腹が痛いと訴えます」。小児の慢性的・反復性の腹痛の中で最も多いのが機能性腹痛です。器質的な異常(病変)がないのに痛みが続くため、保護者も本人も不安を感じやすいですが、適切な対応で改善が期待できます。今回は、機能性腹痛についてお伝えします。

機能性腹痛とは?

検査で異常がないと言われましたが、本当に痛がっています

機能性腹痛は、内臓の過敏性や腸の運動異常によって生じる痛みです [1]。検査で異常が見つからなくても、痛みは本物です。仮病ではありません。

特徴詳細
頻度学童の10-20%が経験
好発年齢5-14歳
原因内臓過敏性、腸脳相関の異常
検査所見異常なし
経過数か月〜数年続くが、多くは自然に改善
機能性腹痛の分類(Rome IV基準)
機能性ディスペプシア(上腹部の痛み・不快感)
過敏性腸症候群(IBS)(腹痛+便通異常)
腹部片頭痛(反復する激しい腹痛+嘔気)
機能性腹痛(その他)

ポイント

  • 検査で異常がなくても痛みは本物
  • 学童の10-20%が経験
  • 「脳と腸のコミュニケーション」の異常が原因

器質的な病気との見分け方は?

本当に大丈夫なのか心配です

以下の警告サイン(レッドフラッグ)がなければ、機能性腹痛の可能性が高いです [2]。

警告サイン(これがあれば精査が必要)
血便
体重減少
成長障害
持続的な嘔吐
右下腹部に限局した痛み
夜間に痛みで起きる
発熱を伴う
関節の痛み・腫れ
家族歴(炎症性腸疾患、セリアック病)

「これらの警告サインがなく、身体診察と基本的な血液検査・尿検査で異常がなければ、追加の検査(CT、内視鏡等)は通常不要です。」

ポイント

  • 警告サインがなければ機能性腹痛の可能性が高い
  • 基本検査で異常なければ追加検査は不要
  • 血便、体重減少、成長障害は要精査

どう対応すればいいですか?

痛がっている時、どうすればいいですか?

以下のポイントで対応してください [3]。

対応内容
①痛みを認める「気のせい」「大げさ」と言わない
②安心を与える「危ない病気ではないよ」と伝える
③日常生活の維持痛みがあっても登校を続ける
④ストレスへの対処原因となるストレスがあれば対応
⑤規則正しい生活食事・睡眠・運動の規則性

「痛みに過度に注目しすぎないことが大切です。痛みに対して『大丈夫?大丈夫?』と繰り返すと、痛みへの注意が強化され、かえって症状が悪化することがあります。」

避けるべき対応理由
「気のせいだ」と否定する信頼関係が崩れる
痛みのたびに学校を休ませる回避行動が強化される
繰り返し検査を受ける不安が増す
痛みに過度に注目する痛みの認知が強化される

ポイント

  • 痛みは認めつつ日常生活を維持
  • 過度な注目は逆効果
  • 登校は続けることが望ましい

治療法はありますか?

薬は効きますか?

薬物療法は補助的で、心理的アプローチが効果的です [4]。

治療法エビデンス
認知行動療法(CBT)最も効果が高い。痛みへの対処法を学ぶ
腹式呼吸・リラクセーションストレス軽減、痛みの緩和
プロバイオティクス一部の研究で有効性の報告
ペパーミントオイルIBS型の腹痛に有効な可能性
薬物療法症状に応じて対症療法

「認知行動療法では、痛みへの考え方を変え、痛みがあっても活動できるようになることを目指します。」

ポイント

  • 認知行動療法が最も効果的
  • リラクセーションも有効
  • 薬物療法は補助的

長期的な見通しは?

大人になっても続きますか?

多くのお子さんは成長とともに改善します [5]。

経過割合
1年以内に改善約30-50%
数年以内に改善約70-80%
成人期まで持続約20-30%

「成人期まで持続する場合も、過敏性腸症候群(IBS)として適切な管理が可能です。大切なのは、痛みに振り回されずに生活できるようになることです。」

ポイント

  • 多くは成長とともに改善
  • 70-80%は数年以内に改善
  • 痛みに振り回されない力をつけることが目標

今号のまとめ

  • 機能性腹痛は検査で異常がない腹痛。痛みは本物
  • 警告サインがなければ追加検査は不要
  • 痛みを認めつつ日常生活を維持することが重要
  • 認知行動療法が最も効果的な治療
  • 多くは成長とともに改善します

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  • Vol.188「虫垂炎」
  • Vol.190「胃食道逆流症(GERD)」
  • Vol.191「過敏性腸症候群(IBS)」
  • Vol.249「子どもの腹痛の見分け方」

ご質問・ご感想

「腹痛が続いて心配です」「機能性腹痛と言われて安心しました」など、ご経験やご質問がございましたら、お気軽にお寄せください。

おかもん先生

本メルマガの内容は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。お子さまの症状についてはかかりつけの小児科医にご相談ください。

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※ この記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。お子さんの症状が心配な場合は、かかりつけの小児科医にご相談ください。

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