小児科おかもん先生 だより Vol.224
「脚の開きが悪いです」、先天性股関節脱臼
こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。
発育性股関節形成不全(DDH、旧称:先天性股関節脱臼)は、股関節が不安定で脱臼しやすい状態です。早期発見・早期治療が重要で、見逃すと歩行障害の原因になります。今回は、DDHについてお伝えします。
発育性股関節形成不全とは?
| 基本情報 | 詳細 |
|---|---|
| 頻度 | 1,000人に1-3人 |
| 男女比 | 女児に多い(6:1) |
| リスク因子 | 女児、骨盤位分娩、家族歴 |
| 左右 | 左側に多い |
| リスク因子 |
|---|
| 家族歴(親や兄弟にDDH) |
| 女児 |
| 骨盤位(逆子)での分娩 |
| 第一子 |
| 冬生まれ(厚着で脚が伸展位に) |
ポイント
- 1,000人に1-3人に見られる
- 女児に多い
- 早期発見が非常に重要
どうやって見つけますか?
| チェックポイント | 方法 |
|---|---|
| 脚のしわの非対称 | おむつ替え時に太もものしわを比較 |
| 開排制限 | 脚を開いた時に左右差がある |
| 脚の長さの左右差 | 膝を立てた時に高さが違う |
| クリック音 | 股関節を動かした時の音 |
| スクリーニングの機会 |
|---|
| 出生時の診察 |
| 1か月健診 |
| 3-4か月健診(最も重要) |
| 超音波検査(疑いがある場合) |
3-4か月健診が最も重要なスクリーニングの機会です。開排制限がないか必ずチェックします。
ポイント
- 脚のしわの左右差に注意
- 開排制限が重要なサイン
- 3-4か月健診で必ずチェック
治療はどうしますか?
| 月齢 | 治療 |
|---|---|
| 0-3か月 | リーメンビューゲル装具(約80-90%成功) |
| 3-6か月 | リーメンビューゲル装具 |
| 6か月以降 | 牽引治療、徒手整復 |
| 1歳以降 | 手術が必要になることが多い |
| リーメンビューゲル装具 |
|---|
| 脚を開いた状態に保つ装具 |
| 24時間装着(入浴時も) |
| 約2-3か月間使用 |
| 装着中もおむつ替え可能 |
生後3か月以内に治療を開始すれば、装具のみでほぼ治癒します。発見が遅れると手術が必要になることがあります。
ポイント
- 3か月以内の治療開始が理想
- リーメンビューゲル装具が第一選択
- 早期治療でほぼ正常に
予防はできますか?
| 予防策 | 内容 |
|---|---|
| コアラ抱っこ | 脚をM字に開いた抱っこ |
| おくるみの注意 | 脚を伸ばした状態で巻かない |
| ゆったりした衣服 | 脚が自由に動ける服 |
| スリングの使い方 | 脚が開いた状態になるように |
脚を伸ばした状態に固定するおくるみは、DDHのリスクを高めます。脚はM字に開いた状態が正常です。
ポイント
- M字開脚の抱っこが大切
- おくるみで脚を伸ばさない
- 脚が自由に動ける衣服を
見逃された場合はどうなりますか?
| 遅発見のサイン | 詳細 |
|---|---|
| 跛行(びっこ) | 片脚をかばって歩く |
| 脚の長さの左右差 | 靴底の減り方が違う |
| お尻の左右差 | しわの位置が違う |
歩行開始後の発見は手術が必要になる可能性が高くなります。3-4か月健診の重要性を改めてお伝えします。
ポイント
- 歩行開始後でも見つかることがある
- 遅発見は手術が必要になりやすい
- 3-4か月健診のスクリーニングが重要
今号のまとめ
- DDHは1,000人に1-3人。女児に多い
- 脚のしわの左右差、開排制限がサイン
- 3-4か月健診が最も重要なスクリーニング
- 早期治療(3か月以内)でほぼ治癒
- M字開脚の抱っこが予防に大切
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ご質問・ご感想
「脚の開きが悪いと言われました」「装具について教えてほしい」など、ご経験やご質問がございましたら、お気軽にお寄せください。
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